部屋で見ている映画は80年代の正統派の世界。世の中に正統があれば、それ以外は異端と呼ばれることになるが、異端には異端の心地よい世界があった。正統のふりして、そうでない大事なところを守ろうとする日常や、自分だけが潜める物陰があった。そこで過ごせる優越感も孤独も自尊心もあった。カーテンをしめておこう。2020年の光が、わたしを名づけてしまわないように。
部屋で見ている映画は80年代の正統派の世界。世の中に正統があれば、それ以外は異端と呼ばれることになるが、異端には異端の心地よい世界があった。正統のふりして、そうでない大事なところを守ろうとする日常や、自分だけが潜める物陰があった。そこで過ごせる優越感も孤独も自尊心もあった。カーテンをしめておこう。2020年の光が、わたしを名づけてしまわないように。
考えてみても、わからず。いったん諦めて、別の場合を考えていると、それらよりもっと前に考えたことが当てはまることに気づき、このかけらって、このパズルのピースだったのか!と知る。本体に出会うとまだ知らないうちから、先に手にしていたんだなと。
品番を読み上げると、クロス屋さんは鉛筆で壁に書いたのだった。ああ来てくれてよかった、今日やろうと思っていた、と言ってくれてわたしはとてもうれしかった。あちこちの面が違うから面倒だし間違えやすいな、図面には描いたけど大丈夫かな、きっと今だこのタイミングだという予感に従って行動した結果であったので。
大きな壁掛け時計が壊れそのまま時計の無い生活。そうしたら意外なほど心地よさ。無支配ってかんじの国。時間はわたしの腕につなぎとめられている。春の野に逃げ出したくて羽をばたばたせている。非力でか弱き精霊。