もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

民衆

オーケストラの演奏をはじめて聞いた民衆は驚愕した。これまで音楽は丘の上を流れてゆく風ように耳で聞くものだと思っていたのに、劇場内に嵐や海が音で象られて押し寄せてくるの。光の中に心の声をきくの。そしてこんなことができる音の創造者が神ではなく我々と同じ人なのだったら、革命だってきっと。

落葉がきれい

 

脅威

小さな会館での小中学生の文化祭。お習字や絵画や工作などが壁一面に掲示してあり、墨の濃さも絵の具色も鮮やかで元気よく、新しき人にしかあつかえない幸福の素材が用いられている。正しさ以上に正解ばかりの群れに脅威を感じながらふとおっさんがいいなと思う。古くて下手でなんか落ち着く。

スカイダイビング

 

閉鎖

最終資料を投げ込むフォルダのショートカットをフォルダに入れる。そうやて入れ子にしている空間に最終資料を借り置きして眺めている。ちょっと冷ましておく時間。デスクトップの喧騒からとは違った閉鎖空間。すきまのようなすみっこのような。

「新しいフォルダ」に来た。べにしょうがちゃん

 

明日

性別変更に要手術は「違憲」と緊急速報で走っていった文字。手術しないと認められない、まだそんな日本だなと理解して、そうかあーやっぱりなあーと布団に潜った。(もしおねいまんがドリフの一員ならみんなが大きな声で違うと叫んでくれたことだろう)起きてテレビをつけたら昨日とは判決が逆になっている・・・!この12時間の間にもうひとつの世界に来てしまったのかもしれない。手のまわりの空気が、光がすこしやわらかい。

鉤鎌と新月(左ハライの一種として)

 

通過

追いつくぎりぎりの速さで走る巨大ばってん。まってーと猛烈に追い上げるおねいまんの目に映るモノグラム。一見すると閉ざされた門、だが重ねられた羽の直線ラインをたとどればロックのカチッと外れる音が聞こえるはずである。いまならば突破できる。このままのスピードで行け。テープを切れ。

まるにちがいたかのはをつくる

 

混迷

あきてしまった。丁寧に準備して出かけることによころびを見い出す努力に。貴乃花って正しいのかもしれない、案外。それじゃあ中学二年生のあの瞬間に立ってみる?いたたまれない心のままに、教室にずっといる?答えるより先に、階段を下りる。そこからは迷わずもっと幼いころに戻る道を往く。今に立ち止まり、伸ばして労わりたい気持ちもありながら。

われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか2.0