もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

鳳凰

大きな金色のクジャクのような鳥が円を描いて飛ぶ夢を見たと友達に言ったら「すごい、それは鳳凰だよ最高に幸運な夢だよ」と。そうしたらこれからどんなにいいことがあるのだろうと待っていた。カセットテープのBOØWYを聴きながら、隣のクラスの好きな子のことを想いながら。父と母、祖父と祖母と鳥小屋の鳥たちに囲まれて。

1987年

 

 

 

 

雛祭

残業しないで買い物にいったらほしいほしいと思っていたコートが65%引きになってた。家についてテレビをつけたらあと3分で「プリティ・ウーマン」がはじまるところ。最初から見て、あとなんとなく録画一覧を確認したらパトリス・ルコントの「仕立て屋の恋」が録画されていた。こんな今日はいいことばかりどうして。

腸内フローラ

 

反応

もちちゃんと呼ばれたのでぱっと目を開けた。うとうとしていたんだ。実家のおふとんの中で。さっきお昼前に朝ご飯を食べてすぐまた入ってしまった。その番組の最後に岩合さんが「飼い主のお父さんが猫を呼ぶようにわたしもできるだけ、できるだけ猫にやさしく声をかけてみました。」と言っていた。

地面の上の秋と冬のもの

 

経路

サボってばかりで必須科目を取らなかった人生だけど、そのあいだ素手で穿ち荒野に毛細血管ほどの流れができた。血脈は途絶えるが水は流れる。本流から外れたわたしは、いつしかわたしたちとなって流れている。この筋道はやがて巨人の赤子の指先を動かすものとなる。

春の小川

 

 

 

荒海

深い海へ潜ってから、再び輝く水面へ浮かんで戻る。それを何度も何度でも。眠っているようで起きている。夢に現実と同じくらいの確かさがある。あいまいな記憶は定着し、乱れた物事が引き潮にのって整えられてゆく。故郷ではいつもレム睡眠の波形。

レム・ノンレム

 

節分

1・2・3・4・5と一粒ずつ口に入れる。6・7・8・9・10。11・12・13・14・15。16・17・18・19・20。蘇るのである、なんとなくしかしはっきりと。一年一粒ずつの色合いを感じながら歯ですり潰す。感じる。胸のいたみ。Count fortyからの無味乾燥な味わい。

翼の折れたエンジェル