もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

小さな駅

その道は迷路のようになっていて人は駅まで、辿り着くことが難しいという。
終電車はまだ夕方といってもいい時刻だった。
駅に溢れた人はバスを待っている。
直通で都会まで行けるのは数本に一本で、尋ねられた男性にわたしは時刻表を広げて見せてあげた。


腕の中に子猫を抱いている。
背骨がぴんと伸びている白猫。
海が近いようだ。


ガードレールに寄りかかっている二人の女性に子猫を返す。
彼女たちは手提げかばんを覗きながらびっくりしている。
猫がいなくなったことに二人は気づいていなかったのだ。
背骨のことをたずねると「先ほど海に行った時に脱臼したみたいです。」という。
「じゃあ、じき直るんだ」
猫は飼い主の腕に戻り、つめを立てて喜んでいる。
「・・・はい。あっちの浜辺まで歩いてゆこうと思って歩いてきたら、この駅に辿り着いてしまって・・・。」