もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

ゴッド・ファーザー

毎晩同じ時刻に闇に溶ける単車で白い特攻服を着たその人は、金色の髪を靡かせてぶくま街道を飛ばしてくる。なじみの店を覗きつつすれ違うものに透明な視線を投げながら、はてな街ぶくま横丁をゆらゆらとほっつき歩く。
その名はxura。
総長だった彼女は忘れることが出来ない。あの闘争を。自らの目の前で傷つき血を流した仲間を。「血を流した?いや、傷つけたも同然。すべてはわたしのせいなのだろうな。」その落とし前はシマを捨てることだった。


冷静にただ立ち続けると決めた。
わたしとしたことが、少々熱くなり過ぎてしまったようだな・・・。・・・時に哂う。
会いたい人は二人いる。忘れたことなんてない。あの人の影を探す。すまん。人違いだったようだな。・・・こんなぶくま横丁にいるはずはない・・・分かってはいるが・・・。
気が付けば顔なじみがちらほらと。無駄にエロいあの人。頭の切れるあの人、素直で真面目なあの人・・・。みな優しさの陰に般若にもなる強さ持つ。誰も傷つけずに微笑みを返すこともそうそう難しくはないのかもしれない。


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ある夜路地で彼女に言った。「文章で人を抱きしめるなんてできるわけがない!」と。言い終わらないうちに彼女はわたしを抱きしめた。
お望みならば目と耳を塞ぎましょう。あなたの行く道を遮るものがないよう、わたしはシャコタンのアメ車をばくばく言わせながら箱乗りして、いつの日か歓楽叶うようにと、ゴッドファーザーのテーマを奏でましょう。



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