もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

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旅をすると普段疑問に思っていた物事の答えに出会える。というか、わたしはそこに疑問を持っていたのかと気づく。台北に行ったとき、言葉はまるで分からないのだけれど、気持ちが本当に良く通じるのでびっくりした。

売店にて
「この黒い餅みたいなのが入った紅茶が飲みたいのですがありますか?」
「(どれ?ん?…ある、あるよ、これ、OK! そうだよ、これだよ。)」

コンビニで
「(このおでんねえ、みっつ買うと煮玉子おまけになるのよ?…ああ、いいわ持ってきてあげるから。)」
「?」
「(はい。)」
「ありがとう。」
「(こちらこそ)」

路上にて
「○○へゆくにはこの道でよいのですか?」
「(あら、○○へゆくのう?え、歩いて?遠いわよう…!ええ、そうよ、この道なのよ。だけど、遠いわよー、大丈夫ぅ?)」


わたしは必死で相手の目を見て、相手もわたしをじっと見る。*1
なあんだ、この世界は「わたし」と「あなた」でできているんだなあと思った。
日本・台湾・男・女・外国人・お客・店員。役割としてはそうでもあるんだけれど、あなたと、わたし、それだけの関係で成り立つ部分は多く。そして「それだけの関係」はシンプルで、だからこそやさしさは直接伝わる。やさしい・優しい・易しいなあ。なんと!優しさは易しいことでありましたか…。わたしがわたしになってあなたというあなたを見つめれば。
下を向いて独り言を言っている君に会ったら、わたしはアリになって見上げよう。君の口から落ちるたくさんの言葉の欠片にうずもれながら、自慢の複眼すべてに君の瞳を映しこんで、輝きを200倍に増量させる。君が「上から目線」ならわたしは蛙になって額と鼻の間に跳ねて逆さにくっついて穴みたいな瞳の古池に眠たげな目を映しかえす。そうすればきっとわかる。自分がどんなアリでどんな蛙で君はどんなきみか。どこにゆけばいいのか、なにをすればいいのか。
*2




・・・

*1:単に買い物するだけなのに、励まして勇気をくれるみたいに。

*2:旅をしよう。旅をしよう。楽しくて優しい旅を。