もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

脱出

川のあちらのほうから赤い丸いものが浮かんできました。それは水玉の赤きのこでした。こんこんはまたしてもちゅうちょなく、きのこの丸みの上に飛び乗りました。まるで浮き輪のようなきのこは、次から次へと流れてきます。川辺にもきのこがたくさん生えていて、どうやらここはきのこの山のようなのでした。川はきのこだらけになり川の流れが途絶えてしまうほどでした。
その流れの中に丸くてピンク色の誰かがいます。「うぱ」とその生き物はにこにこと挨拶をしました。こんこんと「うぱ」は一緒に川を流れることにしました。こんこんはうぱにききました。君はどこから来たの?
うぱはにこにこしています。うぱは見てのとおり、ウーパールーパーなのでした。オオサンショウウオの仲間のウーパールーパーはあまりしゃべらない特質なのです。
明るい光が差しました。丸い光。そこが流れの出口なのだとこんこんは充分にもう学んでいました。しかし光とともにあるこの轟音はどうしたことでしょう。実はその出口は滝のてっぺんなのでした。こんこんとうぱは、たくさんのきのこごと滝の上から下へと放り投げられてしまいました。さすがのこんこんも、もうだめだと思いました。うぱは落下しながらもにこにこと笑っています。とてもおおらかなのでした。そして滝つぼにきのこと一緒に投げ出されそうになっているこんこんをふわりと背に乗せ、救って空に舞い上がったのです。
こんこんはまた飛べる仲間に助けられたのでした。
うぱは、自己紹介も兼ねて‘あい♪あい♪あい’と歌を歌いました。
こんこんはうぱの背中から緑の草原を見下ろしていました。するとぽつんと小さな影が見えました。それは歩きつかれて座り込んだ、白いお嬢さん猫の影なのでした。猫はにゃんやにゃんやと鳴いていました。


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