言葉の一つ一つはかの黒の朱のてんとう虫の如く、
羽立てて鳴る。微かに鳴る。
言葉の一つ一つは凡てが生ける言霊である。生物である。
― 北原 白秋 ―
(『芸術の円光』)
よし、あれを言うぜと決め、寝てみた夢の中。太った芋虫が青々とした葉っぱを食べながら春の行進をしていた。朝起きて、ぞくぞくするほど原始的な生命力を感じる芋虫であったなあと思った。そしてわたしの伝えたいことって芋虫のようなものなのかもしれないなあと動揺した。
白秋はこんなふうに思いながら童謡を書いたので、わたしたちはいつでもどこでもてんとう虫と遊べる。
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