2014-04-09 信頼 木は冬枯れていた。ある日クローク係の紳士が木の前にやってきて一礼し、枝の小さな芽のマントをうやうやしく取り上げ春一番のスピードで持っていってしまうと、若芽たちはそろって緑の髪をなびかせた。ブラシでほこりを落としハンガーにかける丁寧な仕事ぶりを、木はもう100年も信頼し続けている。 ・・・