もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

空の夜と朝の空

うぱとこんこんは大喜びで手を合わせました。ねこのふたりにさよならするとまた飛び立ちました。こんこんだけをのせたうぱはあっという間に空高く速く鳥よりも軽やかに天へ舞い上がりました。列を成して飛ぶ渡り鳥を下に見ながら夕焼けに照らされてふたりは飛ぶのでした。
うぱはまた歌を歌いました。こんこんもまねをしていました。ふたりは声を合わせてあい♪あい♪あい♪うぱはうーぱーるぱー・・・と歌いました。こんこんはふいに少し悲しい気持ちになりました。うぱの背中に乗って運ばれているだけの自分が悲しい・・・どうして自分で自分を飛ばせないのかな・・・と思うからなのでした。うぱはこんこんを見て微笑みました。‘とべるよ’と言っているような笑顔でした。その表情は満月とおなじようにまんまるなのでした。こんこんはそっとうぱの背中から離れ、うぱの手だけを握りました。するとこんこんの体は自然に宙に浮きました。
日が落ち、月と星が瞬く中をふたりは近寄ったり離れたりしながら飛び、歌声は星星に跳ね返ってきらきらと響き渡るのでした。


そんな時間がどれだけ流れたのでしょうか。こんこんはうぱの背中で目を覚ましました。眼下には雲の海。まだ日が昇る前の風の音だけが生まれくる、朝が来たのです。

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