もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

夢十夜 二、真珠の数珠の婦人

高い

あるセミナーの準備のため、広い講堂におりたたみ机とパイプ椅子を並べていたら、上品な女の人がすっと来て手伝ってくれた。そのひとの手首にはピンク色と真珠のような白い玉が交互に並んでいたので、そのブレスレットとてもすてきですねと褒めたら、手を止めて「この数珠のローンが実は9兆円残っておりますの」と突然打ち明けたので驚いた。そんなわたしを察してか「でももう1兆円払い終わりましたのよ。」と取り繕うように微笑んだ。どうしてそんなに高価なものを買ったのですか?とたずねると「一生お金に困らない数珠なのです」と答えた。でも9兆円の借金があるのですよね?とたずねると「お金に困らない数珠のためですから・・・」と微笑んだ。そうかな、そうかと思い直して、パイプ椅子を並べてまわるうちに、なるほど10兆円をそんな風に使うのもいいかも・・・と思うに至ったのだが、その女の人からは遠ざかってしまった。


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