もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

夢十夜 五、列車の三匹

お月さま

蒸気機関車に乗って山を越えトンネルをぬけ、どこかへ向かっている。時々細長い溶鉱炉が開かれ、熱くてどろどろした燃料が乗客席まで引っ張り出されてくる。乗客は熱い厚いといいながらそのパフォーマンスに興じている。だれか火傷をしないかどきどきしながらみている。
運転席の近くにはステンレスの箱があり、覗き込むとつやつやのこぶたが3匹うろうろしている。こぶたの近くまで熱や炎が迫っていやしないか、焼き豚にならないか、わたしはとても心配している。乗客もこぶたも誰も彼も元気そうである。列車の中で心配し消耗しているのはわたしひとりだ。
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