年を越して晴天の続く冬空に映える木々の枝は白く一本一本がくっきりとしている。歳を取る美しさは、こういった包みせぬ状態へむかうことなのかもしれないと見上げながら歩き、昼なお暗い森へ差し掛かった。むこうより駆けくるものあり。まっしぐらにおねい…

今日は一年の時間とお金をうまく都合して実現した観劇だ。この椅子も音楽も自分が自分にあきらめず用意したものである。カーテンコールの時、となりのおねえさんがせいいっぱい拍手をして一瞬止めて、また一度拍手をしてを繰り返していた。はんかちで目をふ…

まず頭を前傾に。イメージはマイケル・ジャクソンのようにななめに＼ななめに＼地面だけ見て。そしてその場で足踏みをする。するとどんどん前に進むのである！？夢中でそうしていたらなんと13分で駅についてしまった。しかもハアハアしていない！ドキドキし…

日本舞踊の藤娘。三代目藤間紫を見る。幼いころ練習中におばあさまにここの酔って踊る場面がいやと言ったら、それじゃあ大きく踊りなさいといわれたというような話を聞きながら。なんて可憐な藤の精たち。いやと思った鋭さも。では大きくねと言ったやさしさ…

負けて泣く。もっと努力し勝利をつかむ。と誓いをたてた人の背面に金色の道がうまれる、その瞬間を見た。翻ってもちもちおねいまんの場合。負けてでへへと笑う、そして忘れる。彼女の足元に道はなく広い野ッ原をくるくるとさまよっている。今日やっと見つけ…

夜、国道を一本入ったところにすてきな建物があった。カナダの林の中にある美術館みたいなイメージの。手前には半透明の光の小屋もある。林の直線とスリット窓の光がそろっていて、ばらぱらとページをめくるように通り過ぎてゆく。夢。調べたところそこはい…

2点とって勝った。11月8日の夜は晴れた。3度目に国際弁護士受かったんだぜインマンハッタン。そんな、どうでもいいけどまあよかったじゃんボックスに放り込まれる事柄のうちのひとつに、おねいまんもおさめてくれない？今日草むしり検定に合格した80点！ 金…

ストーブの上で煮炊きする。ホイルを三重に巻いて魚も焼いてしまう。何か作って、洗って、ごみ捨てて、水切って、歯磨きして、やかんでお茶を入れて、ついでもパスタもゆでてしまう。洗濯機もまわしてしまう。その音を聞きながら、果物をむいて、そしてまた…

一番感激したのは生井子華の篆刻作品、ではなく書。漢字が好きで歩み寄り話しかけた彼のことを漢字達もまた好きになったのだなと感じる書を見た。漢字達は大陸を渡って千数百年。日本になじんだとはいうもののその間に言い尽くせない秘めた思いはたくさんあ…

「手すりは降りてくるほうの利き手を優先に取り付けする」の一文。うんそうね。これは山道での優先と同じね。あの群馬の山の風景。そういった人の横顔。坂の上に広がる新緑と空。忘れたい忘れないあの道につなげてまで覚えようと必死な姿を、セリカの助手席…

西日がまぶしくて運転困難状態。でもきれいだ。死後の世界で神様が「あなたはあの日あの時あの場所で運転中すごくまぶしいということを体験するためだけに生まれてきたんだよ」と言う。ええっ人生の目的ってそれだけだったのわたしの人生の目的って。 みてみ…

やりたくないことがあり、頭のかたすみにいつもそれはあるけれどでもやらないでいると、それよりもっとやりたくないことが出てきて、そうだあれやるんだと取り掛かる。ふたつのちからABの拮抗に作用するC。力学的なエネルギー的なわたしには到底理解の及ばな…

良く寝て昼間もぽかんとしていたいタイプ。それでも社会に順応すべくやっていこうと6歳頃決意してから今なお目の前にある課題は“さらなる順応を目指せよ”。従うことが正かは不明だが、峠を超えてたどり着いた仲間達との縁は女工哀史時代からのものと思えるほ…

日付が変わる5秒前の帰り道に、黄色いエムの文字が出現しポテトポテトポテイトゥォウと呼び掛けてくるので聖アントワーヌのことを思いながら足早に通り過ぎる。それでだいたい363日は守られている。 夜道は誘惑がいっぱい

なんとなく卒業した高校を検索してみたところ、偏差値42だったので、いもちん57*1にメールしたら、やだねいまんちょっとした底辺じゃん！ってかえってきた。そうだよ、だから7時半から夜11時まで仕事しているのだよ。電卓でカーテン寸法を検算してなんで10に…

三波春夫をきくと、はじめうまいなと思うのだけれど、次第に春夫の声が自分から出てると思えてくる。でもまたすぐにに一体化してしまうのでその謎の錯覚もなくなり、ハァああああーーーと胸のあたりからなにかを引っぱり出して惜しみなく奪っていく。 https:…

誰もいない朝のプールに浮輪でクロール。そのあとは中央でくるくる回っている。足を斜めにかくとその場にとどまり続けていることができる。フレンチクルーラーになっている。 さくっとあげる

松本清張原作の映画「疑惑」を見た。桃井かおりの顔。顔！顔！！！それが芸である、女優であると言われれば黙るしかないけど、様々な魅力を出し入れできるのはすごいことだ。「影の車」の加藤剛は木下恵介劇場の「太陽の涙」と同じ旅行代理店勤務だったので…

ファビオ・ルイージがたったひとこと言っただけでそれは現れた。若き指揮者よ。掌を自分ではなく相手にむけてごらん。オーケストラの団員たちみんなに。それが心であなたの音楽を伝えるということだ。彼の大きな手はゆるやかな旋律を引いて飛ぶ、熾天使であ…

「ぜんぶわたしが悪いと思うんですか？」と叫んだ。これだけがんばったのですがダメでしたので 決裁よろしいでしょうかアッピールとしてのTELの10分地点のクライマックスである。この演技でいやあそんなことないよと言わせ、あわよくば責任をなすり付けるシ…

たくさん寝たいけどもう少し起きていたいのだ。この歌を聞いて。辞書をひくように。永遠の 今までに決してない 優しい 日陰の 一本の道を金色の蹄の馬が通り抜けてゆく。 オンブラマイフ

楽しかったのに悲しいような気分の自分。に影響を与えているのはどんなことだろう。すばらしすぎる時間にひたされていたことは確かだが、漢文を段落ごとに細かく解いていくように振り返れば、長い間知りたくても知れずにいてはじめて知ったことや、結局は助…

岩手を旅した暑い夏の夜は風が吹いていてた。ひんやりと冷たいから、これが小学校の時地理の授業で習ったやませなのかもしれないこれが、と思った。そして木々が不規則に左右に揺らされているこのリズム。ざざっざざっざっざざざざっざ ときこえるのだけれど…

社屋建て替えの仕事で、社長と雑談した時、「うちの部品は東日本の電柱のほぼ100パーセントに使われています」と教えてもらったので、わあすごいですねーと言って、話は終わった。それが1年半前のこと。信号待ちで電柱を見る。今目に映っている。知っている…

ミスはミスと認めたうえでなんとか折半でお願いできませんかと話している。となりの席で、彼女は。キラキラした目で聞き上手な彼女は、話すためによく聞きながら、左刀・右刀・左刀・右刀のリズム。相手はひるまないタイプ。そもそも長電話はしてくれないタ…

雨粒が露天風呂の水面でぴんと跳ねて玉になってすべっていく。落ちて触れた時の衝撃で少し沈み空気をはらみ、玉を形成するのだ。一粒の配分が重くも軽くもなかったために。秒速なんたらセンチメートルの速さのために。この偶然の発見の記録を買って出たのは…

“本棚を断捨離したよ 売りに行ったら1670円になったよ いもちゃんの本は捨ててない お盆にきたとき見てね” とメールしたら“ねいまん、この暑いのに断捨離だなんて勇者だわ！だんじりじゃなくて断捨離よね” って返ってきたから笑っちゃった。 雨の海水浴

光と雲と沼の上にかかる板。尾瀬のような見晴らしの良い景色に1989年のバイオレンスが隠し絵のように画かれている。光と雲と板の横で、正正堂堂と、生れ落ちてただ一度も見たことがない子供たちは述べる。信じている。鬼の首のような問題提起を聞き入れてく…

丸く囲まれた芝生広場。日陰から見上げている人もちもちおねいまん。5羽のつばめが飛んでいるのである、円に沿ってサーキットのように。温帯高気圧の熱風に羽を広げて、ターンしたらちからづよく羽ばたく。あそび？ほかく？ローテーションを15分もしててああ…

ないろんのくつしたを途中まであげてぼんやり。考えているようないような。そうして洗濯機は止まり腕時計をはめてせっせと手を動かしていこうと決める。 こうしているとハイパークリアな感じ