もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

Father And Daughter

父は若い頃「パのつくところ」が好きで、ちびもちはそんな父親が好きで日曜日には一緒に行きたくて、母が「教育上よくないから!」と嫌そうな顔で言っても「へ、ぜったいいくもんねー」と5回に一回はへばりついて行ったのだった。*1
店内をうろうろ歩き回っていると幼稚園のお友達の○○ちゃんに会ったりもして、「あ○○ちゃんのおばさん!!」「もちちゃん。お父さんと来たの?」「うん」なんて話すそばから、銀玉が一個床に落ちてるのを拾って一発弾いてみたりして、もう大満足だった。知らないおじさんに「子どもがくるとこじゃないよ」って言われても心の中で(うるせ)と無視して、椅子をくるくる回るしながらおかっぱの髪を鞭みたいに振り回していた。*2
突然、もう置いていかれたんじゃないか!なんて想像して、いてもたってもいられなくなって席に戻って、今まさに向こうへ移動しようとする足を見つけて、ぎゅぎゅっと抱きついた。「おおう、ちがうよ」と言われた。垂直に見上げると別のおじさんが覗き込んでいた。
後ろから「もち!」と言われて振り向くとそこに父親がいた。



いつしかそういう父親を恥ずかしく思う年頃になって「賭け事やる人はきらい」なんて言ってた。けれど、いまは別にそうは思わない。
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・・・

*1:他4回はいつのまにかいなくなっていて絶望した。

*2:当時は今より治安が悪くなく子どもも店内に入ることができたのです。