もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

今の時期少し明るくなったと感じるのは畑の麦のせい。ある日空っぽの灰色茶色地面が緑の升目に変わっている。麦はまだ小さいので風をまだ知らない。地面にぴったり張り付いて空だけを見ている。
あの日。ごらんあれが気圧の谷だよと指差して言える様な空の境目からは風が吹いていた。森は葉を揺らしていた。風は雲を水平に押し下げて雲は西の太陽の下になだらかに集まり集まったところから風がまた生まれ、雲を下げて、光がやってくる、葉が揺れる、その繰り返しは止む気配はなかった。
逆光で手を広げた姿が写っている。そうしたら飛んでゆけそうだと思って寒くて冷たくて笑ったのだ。けれども写真のなかにはあの風はどこにも見当たらないのだった。

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