御幸

あのねさっきあの土偶かわいいと思って見てたら蛇がいたの。どこ。頭のところ、ね。あ、ほんとうだ。とお互い程よき距離で鑑賞している。それは食事の進み具合を合わせるのに似ている。時々そばに来て気づいたことを小声で伝えにくる姫だ。わたしも彼女の足取りを横目で追ってふふって笑っている。確かに神道のものが多いせいか蛇を象ったものがいくつかある展覧会。
蛇の書のとこ避けてたね。と言ったら見てたの？わたしを？だって蛇嫌い。スサノオもわがままな男の子みたい。と言う。彼女はＫ子。わたしのはは。
･･･