もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

隣の芝生男とバー・カウンター・わんだー・らんど

http://d.hatena.ne.jp/selim/20061221 で、誰か教えてくださいって書いてあったのでかんがえてみました。。。

例えば村上さんの小説の主人公って大体良い環境にいると思いませんか?彼女はちゃんといるし(笑)、それは置いておくにしてもちょっと人とは変わった仕事をしてきちんと収入を得ていたりとか。でも何かが足りないと思っていて、その不満がストーリーの展開と地続きで繋がって行ってしまう。

selimさんは村上春樹の主人公をこんな風に捉えているんですね。はははは、たしかに、確かに。ちなみにうちの妹に聞いたら

仕事も家事も不自由しない程度に出来て、面倒な人間関係で心を煩わせることもなく、人に傷つけられないだけの距離をとっていられる。クールだけど冷酷でないから女子にモテる。生活も持ち物もシンプルだけど清潔さとセンスはある。

で、・・・あの淡白で無機質な世界に憧れたなあ。とのこと。そうそうそう(笑)主人公は「すべてにおいて自分よりちょっと上の・・なんか得そうで、うらやましい・・・手が届きそうで届かないポジションにいる*1!」みたいな男の人ですね。これって・・・わたしは思うんだけど、現代に生きる一般人*2が一番興味を抱く人物像なんじゃないかなー。*3
・・・この主人公を略して「隣の芝生男」と名づけたいと思います。

  • 作者は、世界に共通する隣の芝生を作ったのだと思うのです。
    • 遠くからでしか眺めることができなかった青々とした隣の芝生を様々な描写で見せてくれる。
  • 作者はなぜそのような隣の芝生男を生み出したか?
    • それは現代に生きる一般人が潜在的に求めているのが見えたから、なのでは?

では、なぜ読者が求めているのが見えたか?彼には小説家的才能があったから。*4その才能は持って生まれたものも大きいと思うけれど、彼が文章を書く以前に、サービス業(ジャス・バーの経営)に携わっていたことも大きいんじゃないかなーと、個人的には思っています。お客様のニーズに的確に答えることの重要性を肌で知っている作家なんじゃないかな、って。*5


>埋め難い溝について

これは彼の作品と彼が愛好する作品との間に、僕が繋がりをあまり見出せない、ということだと

彼は作品を作るときは常にバーカウンターの向こうにいて、お客様のために忙しく立ち回っているのではないでしょうか。「すみません、隣の芝生カクテルひとつ。」「はい、どうぞ、」という風に。
そしてたまには自分のためにゆっくり飲みたいときもあるよ・・・と、店の一番奥で好きな音楽を聞きながらビールを飲む・・・これが翻訳作業・・・生きてゆくためにはどっちも必要な時間かと・・・。*6



・・・

*1:っていうか、いかがわしい、っていうかそんな感じ

*2:働いて自由に文庫本が変えるくらいの経済力があるいわゆる先進国の人=読者層

*3:同姓であれば嫉妬するし異性であれば憧れの対象になるでしょう。

*4:あたりまえな答えですが

*5:だから、イラスト付きのエッセイとか出したり、HPで読者と盛り上がったりしてあれだし、そういう戦略は尊敬できるんだけど、なんとなくキラいでもあるところなんだー。というか本読んでいても多分自分の仕事のこと思い出しちゃう

*6:まあどっちにしても儲かるみたいだけどね。