もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

白馬に乗った王子様なんていらないお。

もちもちおねいまんは、ヘッドハンティングとか、そういうのされたことないなあーと思って昔の記憶をたどっていったら、あった。あれはいまから10年前(1996年)の出来事。*1諸事情で転職するために会社を辞めて、翌月が来るまで家でぼうっっとしていたある冬の午後のこと。電話が鳴って受話器をとると、以前の会社の取引先の業者の社長だった。独特の訛のある真面目なしゃべりかたで「もちさん、明日会えませんか?」と言う。「ご用件は・・・なんでしょうか?」「電話ではちょっと・・・話せないことで。」
・・・うちで働きませんか、というような話だろうか?


*****
翌日
社長は待ち合わせ場所に白いベンツであわられた。特上のお寿司が目の前に並んでもなかなか話を切り出さないので「あの、お話というのは・・・」とこちらから切り出すと
社長「じつは・・・。」
もち「・・・はい。」
社長「うちの息子と結婚してもらえないか と思って。」


わたしは「息子」を思い出そうとした。「息子」には一度しか会ったことがない。事務所で、社長と「息子」と常務の三人にお茶を出した時だ。「息子」はわたしと目を合わせずに挨拶をした。色白でおっとりとしたイメージで顔は良く覚えていないけれど、わたしの記憶が確かならば在原業平みたいな感じで、隣にいる社長は、日焼けして白髪を角刈りにしていて、動物にたとえると馬っぽくて*2、随分とイメージの違う親子だなあーと思った。
へ、へぇ平成の世の中にこんな話もあるもんなんだあと驚きつつ、いやいや、こういう地方社会*3で女が生きてゆくことは結構大変なのかもしれないなんて思ったりした。それよりなにより「息子」はわたしを知っているのか、そしてまだ22歳の「息子」がこの話を了解したのだろうか・・・ということなどが次々に頭を駆け巡ったのだが、



「ほ、他に好きな人がいますから、だめです。」 


というのが精一杯だった、もちもちおねいまんがまだおねいまん化する前のお話。*4



・・・

*1:もう時効で誰も傷つかないだろうと思うので書く。

*2:別に動物に例えなくてもいいのですが、まあたとえれば

*3:でも関東だよ

*4:で、決まっていた次の会社は2週間でやめたというのはまた別のお話