もちもちおねいまんと4枚の絵

もちはもちや おねいまんはもちもちおねいまんです

冷たい水 甘い水

学校が終わって2キロくらいの道のりを歩いて帰る小学校低学年の少女もちの必ず立ち寄る場所はA邸の外水道だった。
庭先に入り「みずのましてくださーい」と叫んで、蛇口をひねってごくごく飲んで「ありがとーございましたー」と帰る。
夏の暑い日、夏休みのプールの帰り道、ほとんどの子どもはその庭先で水をもらって飲んで再び歩きだすのだった*1
数百メートル歩くとB邸の水道があり、そこでも「みずのましてくださーい。」「ありがとーございましたー。」をしていた。
あるとき、A邸のおじさんが「うちの水は井戸水だからBさんちより冷たくてうんめえだろ」と言った。
少女もちは (え、井戸って穴をほったあなの中の水? それってきたなくないの) と引いたがそんなこと言ったらいつも水をもらっている手前 おじさんに悪いだろうと黙っていた。
そしてまたあるとき、B邸のおじさんが「うちの水は特別に少し砂糖を入れてあんだよ。だからあっちのAさんの家の水よりおいしいだろう。」と言って笑った。
少女もちは  (え、うそ、さとう?!水はさとうを入れないほうがぜったいにいいのに!) とちょっと引いたがいつも水をもらっている手前そんなこと言ったらせっかくのおじさんの好意に対して悪いなあと思ったので黙っていた。
でももしかしたらあっちは冷たいのかも、こっちは本当に砂糖が入っているかもしれないとも思って、それから二つの水をごくごく飲み比べるようになった。
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・・・

*1:多分毎日100人くらい

*2:で、B邸で外にあるお手洗いもよく借してもらった。